工藤淳夫

アンチエイジングと良質な脂肪

顔のアンチエイジングと良質な脂肪~食べ物と化粧品の観点から

 

専門医としての老化や粘膜、肌の知識や臨床経験、化粧品開発の経験知識から、今回の記事は食事と化粧品に入っている脂肪について顔のアンチエイジングの観点から書きます。

 

脂肪は莫大なエネルギーを供給できる

まず脂肪はエネルギー源として効率の良い栄養素であることを述べておきます。

 

多くの現代人はご飯・パン・ラーメンなどを「主食」としてタンパク質や脂質よりもカロリーをたくさん摂る食生活を送っていると思います。

 

私の場合ですがこのような糖質をメインのカロリーにしていたときに血液検査で年々血糖値が上がってきましたので現在は脂質をメインのカロリーにした食事を送っています。

 

糖質から得られるエネルギーは1時間程度で枯渇するのに対して脂肪を分解することでミトコンドリアが生み出すエネルギーは莫大です。

 

加齢とともにミトコンドリアが減って機能も落ちてくるため顔の表情筋や肌の再生や修復に回すエネルギーが足りなくなってきます。

 

人間はまず呼吸や脳など生きていくのに必要な臓器にエネルギーを使いますのでまず顔から老化が表れます。

 

ですので十分なエネルギーを確保することは顔のアンチエイジングに非常に大切だと考えています。

 

ミトコンドリアを増やすには

有酸素運動

ミトコンドリアは加齢とともに機能、数が減っていくのですが、これを回復させる方法があります。

 

一つは有酸素運動です。有酸素運動では脂肪を分解してミトコンドリアが働くため体がミトコンドリアを多く作るようになります。

 

私の臨床でもスマイルにコンプレックスがある患者さんは表情筋をあまり使用しないのでたるみや毛穴の目立ちも年齢以上に観察されます。

 

そこで表情筋トレーニングやスマイルトレーニングで筋トレさせて顔の表情筋の量と強度を増やしています。

 

糖質制限をする

あとはミトコンドリアを働かせて廃用させないためにエネルギーを産生するのに必要な酸素と脂肪酸を体内に取り込むことです。

 

筋肉や肌のハリを見ていると使用されない状態ではたるんできます。

 

したがってミトコンドリアも使うことで機能や数が回復すると考えられます。

 

そのためには糖質によるエネルギー産生システムを最小限にして酸素と脂質によるミトコンドリアエネルギーが最大限使われるような食生活や運動が有効になります。

 

糖質のエネルギーの性質としては即効性があるためすぐ利用されます。脂肪を分解してケトン体を取り出すには糖質の摂取を減らすことで脂質がエネルギー源として使われやすくなるのです。

 

PQQを摂取する

カカオパウダーに多く含まれるPQQという一種のビタミンはミトコンドリアの数を増やし、機能を健常にする働きをもっています。

 

私はたまにカカオ80%以上のダークチョコレートを夜にひとかけ食べたりします。

 

コレステロールについて

脂質が多い食事ではコレステロールが気になる方も多いと思いますがコレステロールは顔の魅力や若さを維持するために必要なものです。

 

コレステロールから細胞膜やホルモン、胆汁酸などがつくられるため、女性ホルモンの作用による女性らしい顔や細胞膜の新陳代謝で肌がキレイに維持されるために必須です。

 

また、LDLコレステロールに関して最新の知見では「酸化LDL」とLDLのうちサイズが「小型のLDL」が増えると動脈硬化が進むとされてきています。

 

通常サイズのLDLは血管内で細胞の修復に必要なコレステロールを肝臓から運んできているという真っ当な仕事をしています。

 

脂質の種類

脂質には炎症を起こしやすいものと抗炎症のものがあります。

脂肪酸には大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸にはω-3,ω-6,ω-9があります。

ω-3とω-6不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸に分類され酸化されやすい部位が2つ以上あるものです。

どちらも必須脂肪酸ですが現代人はω-3が少なくω-6が多い食生活になっています。

ω-6が多いと炎症発生源となる一方でω-3には抗炎症作用があるため顔のアンチエイジングにはなるべくω-3の多い食事が必要になります。

ω-3が多く含まれる食事にはアマニ油、エゴマ油、魚油、クリルオイル、牧草で育てられた牛肉、あとはナッツ類でもクルミに多く含まれています。

牛肉は穀物で育てられた牛と牧草で育てられた牛で栄養素がだいぶ変わります。

牧草で育てられた牛肉にはω-3の割合が多く、脂肪もカロテンが多く含まれるため黄色がかっています。

 

トランス脂肪酸

某巨大ファストフードチェーン店のポテトを揚げる油が社会問題になったことがありましたが、脂肪酸を高熱で処理することで自然界にないトランス脂肪酸が発生します。

脳の60%は脂肪ですし、顔の肌やハリの老化を抑えるためにも細胞膜に脂肪酸が使われています。

したがって、トランス脂肪酸は炎症を引き起こしますからこのような顔のアンチエイジングの観点からは避けた方が無難と考えられます。

一方、牛肉や乳製品に含まれるトランス脂肪酸は天然のトランス脂肪酸で「共役リノール酸」です。

共役型は現在のところ人間に害はないとされていますので心配しなくて大丈夫です。

 

飽和脂肪酸

短鎖脂肪酸

飽和脂肪酸でバターなどに多く含まれる酪酸や酢酸、プロピオン酸は脂肪細胞に働きかけて脂肪の取り込みをストップさせる生理活性をもっています。

また、腸内細菌で善玉菌はこの短鎖脂肪酸を産生するものが多いので酸性をたもち悪玉菌の繁殖を抑え絶妙のバランスを生み出しています。

このように短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑えることによる炎症の発生を防ぎ、悪玉菌から硫化水素やインドール、スカトール、二次胆汁酸などの毒物による炎症を抑えて顔の老化を抑えることが考えられます。

 

中鎖脂肪酸

MCTオイルと呼ばれることもあります。ココナツオイル(ヤシ油)に多く含まれる飽和脂肪酸です。

これがアンチエイジングにいいのは食べ物としては体内でミトコンドリアが使用するケトン体を血中に増やしてくれるからです。

先ほどの短鎖脂肪酸も同様にケトン体を増やすのでミトコンドリアを鍛えエネルギーを十分に供給して顔の肌や表情筋など再生、修復にエネルギーをさけるようになります。

私はピュアなMCTオイルを毎朝スプーン1,2杯飲んで日中のエネルギー源としています。

 

肌につけても酸化しにくい油脂を

飽和脂肪酸は食べ物としてだけでなく肌につける酸化しにくいオイルとして優秀です。

 

私は基礎化粧品も作っておりいかに老化させないかをブランドの柱としました。

 

その化粧品開発の経験からも肌につける油脂は酸化しにくいものでないと炎症がおこるので老化を進めるリスクが高いと考えています。

 

脂肪酸の酸化しやすさは 多価不飽和脂肪酸(ω-3,ω-6)>一価不飽和脂肪酸(ω-9)>飽和脂肪酸 の順です。

 

肌は大気と接していますので酸素が豊富でメイクや皮脂に含まれる油脂成分は遅かれ早かれ酸化します。

 

そのため私はクレンジング保湿オイルやクレンジング泡石鹸に含まれる脂肪酸は飽和脂肪酸のヤシ油や同様に酸化しにくいホホバオイルを使用しています。

 

酸化しにくいクレンジング剤としてメイク落としにも

肌の皮脂も酸化しにくいワックスエステル(ヤシ油の主成分でもある)が主成分とはいえ酸化していきます。

 

酸化した皮脂が毛穴から顔を出しているのが毛穴の黒ずみです。

 

その毛穴の周囲には炎症が起きておりメラニン色素の分泌を促してさらに目立ってきます。

 

このように酸化した油分は炎症を起こして顔の老化の原因となるため多すぎる皮脂やメイクは正しい洗顔で落としてから寝ましょう。

 

また、環境ストレスである大気中に浮遊している排気ガスやたばこの煙、ごみ処理工場から出る煙にはダイオキシンや窒素酸化物が含まれています。

 

これらは油性ですので皮脂やメイクに付着しやすく老化の原因となるため特に都会に住む方は正しい洗顔をしてから睡眠に入ることをお勧めします。

 

まとめ

  • 脂肪には炎症を抑えるもの、炎症を起こすものがある。炎症は活性酸素を出すため顔のアンチエイジング的には好ましくない
  • 食べ物で好ましい脂質は短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸、ω-3であり、化粧品で好ましい脂質はホホバオイルやヤシ油などの飽和脂肪酸
  • 逆に避けたい油脂は食べ物ではω-6、トランス脂肪酸であり、化粧品で避けたい油脂は酸化しやすい不飽和脂肪酸
  • メイクや過剰な皮脂は洗顔できちんと落とすことも顔のアンチエイジングには有効

 

参考文献:

  1. Effects of conventional and grass-feeding systems on the nutrient composition of beef. Leheska JM et. al J Anim Sci. 2008 Dec;86(12):3575-85

 

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