脂肪を燃焼させる腸内細菌を育てて顔のアンチエイジング
腸内細菌は脳-腸連関など現在研究が盛んにされている分野の一つですが、腸内細菌だけでなく口腔内や皮膚常在菌も何億年間も人間と共生関係にあってお互い深い関係にあります。
肥満と腸内細菌に関して、痩せ菌のバクテロイデス門や肥満菌のフィルミテクス門の存在、そして今回紹介する腸で発現しているFiafという物質などがあります。
今回はFiaf(絶食誘導脂肪因子)から肥満とそれに伴う炎症、顔の老化について書いてみます。
Fiafとは
Fiaf(絶食誘導脂肪因子)は小腸、肝臓上皮から絶食時に誘導され脂肪を燃焼するようシグナルを送ります。
Fiaf はリポ蛋白リパーゼという脂肪を消化する酵素を阻害して脂肪のため込みにブレーキをかけます。
つまりFiafが増えると痩せていきます。
Fiafは腸内細菌に影響を受ける
無菌のマウスは糖質食の後でも肥満にならないことからFiafの発現に腸内細菌が関わっていることがわかっています[1]。
通常、腸内細菌はFiafを抑制して脂肪をため込もうとしているため、腸内細菌をコントロールしてFiafの発現を上昇させられれば脂肪が燃焼し炎症性サイトカインの放出も抑えられて顔の老化も抑えられることになります。
Fiafの発現を上昇させる菌
一部の乳酸桿菌にはこのFiafを増加させるものがあります。
ラクトバシラス・ラムノサス[2]、ラクトバシラス・パラカゼイ[3] などはプロバイオティクスとしてFiafを増やし脂肪の燃焼に一役買いそうです。
Fiafを上げる菌を育てる
上記の善玉菌である乳酸桿菌は食物繊維を餌としています。
悪玉菌は口腔内でも歯周病菌や虫歯菌は糖質を餌とします。
善玉菌は食物繊維やポリフェノール類をえさとするものが多いためこれらが多く含まれる野菜やコーヒーなどのポリフェノールが入った飲み物を摂ることをお勧めします。
脂肪は食欲のコントロールを難しくさせ、炎症性サイトカインを放出して活性酸素レベルを上げますので顔のアンチエイジングからはなるべく脂肪の蓄積は避けた方がよいでしょう。
まとめ
腸内細菌は脂肪蓄積をコントロールしている。Fiafは脂肪分消化酵素のリパーゼを阻害して脂肪を燃焼させる因子で通常は腸内細菌によって抑制されているが、一部の乳酸桿菌にはFiafレベルを上げる働きがある。プロバイオティクスの活用や善玉菌を育てる食物繊維を摂取することは脂肪燃焼にも脂肪細胞由来の炎症性サイトカインを抑制して顔の老化を抑えるためにも有効だと考える。
参考文献: