工藤淳夫

糖化による老化 | 糖化対策はあるの?

糖化による肌の老化対策はあるのか?

和菓子やパン、日本酒や甘酒など糖質を多く含む食品を食べると食後血糖値が急激に上昇します。

糖質はそれ自体が活性酸素源であり肌の老化を加速しますがさらにコラーゲン繊維などのタンパク質を糖化するため年齢以上に肌の老化が進んでいきます。

 

つまり活性酸素と糖化のダブルパンチで老化を加速します。

今回は糖化による肌の老化と糖化を食い止める方法についての記事です。

 

糖化(グリケーション)とは

糖化は簡単に言えば糖とタンパク質が結合することです。この反応のことを別名メイラード反応とも言います。

糖化でわかりやすいのがはちみつを加えたホットケーキの茶色い焦げ目です。

食べ物の糖化だけでなく私たちの体の中でも糖化は起こっています。

この糖化反応は酵素がいらないため体の中でも制御できず、ある程度の濃度の糖とタンパク質があれば必ず糖化して老化していくということです。

糖化にはいくつかの中間産物を経て最終的にAGEsと呼ばれる糖化最終産物になっていきます。

糖化は以下の順番でAGEsまで進んでいきます。

①糖とアミノ酸が結合する

②アマドリ化合物

③ジカルボニル化合物

④AGEs

 

糖化が引き起こす症状

糖尿病の方は血糖値が高くさまざまな糖化による老化現象が見られます。

抹消血管

AGEsが肌に多く蓄積しているほど抹消血管の病的な変化が見られた[1]。

肌にAGEsが多いほど血管の病変程度も重症化している[2]。

栄養や酸素を運んでいるのが抹消血管ですから顔の肌のたるみやハリがなくなっていく原因になります。

 

コラーゲン繊維

コラーゲン繊維同士をAGEsが結びつけ(架橋)硬くなり弾性が失われる[3]。

たるみやハリが無くなるのは糖化も原因の一つです。

コラーゲン繊維の側鎖が糖化するとコラーゲン繊維のターンオーバーが悪くなります[3]。

美白が好まれるのは黄ばみや黒ずみが加齢とともに増してくるからでしょう。

加齢による黄ばみも糖化が原因ですので顔の色はその人の老化度を表しています。

一般に糖化すると褐色を帯びてきます。

 

血小板

コラーゲン繊維の側鎖が糖化されると血小板との相互作用も弱まり血が止まりにくくなります[3]。

 

AGEsは一型コラーゲンのインテグリンを介する骨芽細胞の接着を弱めるため糖尿病の骨減少症の原因となる[4]。

 

DNAダメージ

糖尿病の初期段階で血糖値が高い方はDNAにもダメージがあり細胞の自殺であるアポトーシスや壊死が起こります[5]。

2つの細胞毒性が考えられ①グルコース自体が酸化して酸化剤に変わり細胞死につながる②鉄が活性酸素を発生するため[5]。

糖尿病の人の赤血球の半減期は短いのでヘモグロビンの回転率が高く遷移元素である鉄も活性酸素源として考えられます。

フルクトースなどの糖だけでなく糖誘導体もDNA障害を引き起こします。

グルコース1-リン酸<グルコース<グルコース6-リン酸<フルクトース1-フルクトース<フルクトース-6-リン酸塩の順の強さでDNA障害を引き起こす[10]。

 

抹消神経

皮膚のAGEs量が多いほど糖尿病性末梢神経障害(ニューロパチー)特に小径線維に障害が現れる[11]。

手足や顔などに痛みやしびれの症状がでるということです。

 

糖化を抑え改善する方法

糖質制限

まずシンプルに血糖値を上げない食事をすることです。

糖質制限ダイエットは糖化によるエイジングの加速を食い止めるのにも有効です。

 

糖質制限ブログ~実験3か月後の記録

糖質制限ブログ~実験3か月後の記録

 

ビタミンC

DNA修復/アポトーシス制御

糖化による活性酸素の発生でDNAダメージが大きい場合、細胞はそれが修復可能かどうかを判断して修復不可能だと判断すればアポトーシスを起こします。

ビタミンCはDNA修復かアポトーシスするかに関わる遺伝子の発現を制御している[6]ため、高用量のビタミンC投与はミトコンドリアから活性酸素放出により胃癌細胞のアポトーシスを引き起こします[7]。

いわゆる高濃度ビタミンC点滴ですね。癌治療目的とは用量が違いますが私も高濃度ビタミンC点滴を何回かしました。

糖化は活性酸素が多いほど加速しますから抗酸化剤は抗糖化剤でもあります。

 

生体内で抗酸化作用

鉄や銅、銀、金、チタンなど遷移元素、紫外線や放射線などは活性酸素源です。

それら活性酸素源があるとビタミンC自体が酸化して酸化剤になってしまいます。

生体内ではビタミンCは鉄のサプリを摂取しようが抗酸化作用を発揮します[8]。

実際ビタミンCの注入は糖尿病の内皮細胞障害阻害します[9]。

これは生体内ではビタミンCなどの抗酸化剤がお互いに酸化と還元をして再利用可能にしてくれるレドックスシステム(Redox system)があるからです(デトックスではないです)。

レドックスシステムは生体内でビタミンCやビタミンE、グルタチオン、コエンザイムQ10、αリポ酸がお互いに再利用可能なように酸化還元し合っています。

結果としてビタミンCは活性酸素によるDNAダメージから守る[12]効果が発揮されるのです。

 

肌にはビタミンC誘導体を

先ほども述べたように鉄や銀などの遷移金属があったり紫外線があると簡単にビタミンCは酸化されそれ自身が酸化剤になります。

ビタミンCには炭素が6つあり順に1~6位まで番号が付けられていますが2位のOH基が酸化されやすくビタミンC自身が酸化剤になりDNAダメージが強くなる原因です[13]。

そこで2位のOH基をリン酸などで置換することで酸化されにくいビタミンCがビタミンC誘導体です。

ビタミンC誘導体にはさまざまな誘導体が作られています。

ビタミンC誘導体P-A-2-GはDNAダメージを軽減する[15]。さらにビタミンE誘導体もDNAダメージを軽減する[16]。

ビタミンC誘導体は真皮内など生体内で徐々に分解されビタミンCを放出します。

私の美容液にも採用したAPPS(アプレシエ)などは肌に浸透していく能力が高いので紫外線などで酸化されずに肌に浸透してから徐々にビタミンCを放出してくれます。

ビタミンCは食べたり点滴で直接静脈に流し込むのは酸化が少なくていいのですが美容液や化粧水で顔などの肌に塗ると紫外線や酸素によって容易に酸化されて逆に肌を酸化させます。

ですのでビタミンCを化粧品でつかうならビタミンC誘導体にしたほうがエイジングケアには合理的だと言えます。

 

糖化を抑制する食べ物飲み物・ハーブ

糖化を抑制する薬にはアミノグアニジンやメトフォルミンなどさまざまありますが副作用もあります。

そこで植物由来の天然の抗糖化成分のほうがアンチエイジング目的で好まれて消費されています。

 

血糖値を下げる効果のあるハーブ

例えば玉ねぎの皮やシキミの樹皮や木、ソバの殻、ハナハッカ属オフィシナリスの葉、アリシンなどニンニクの有機溶媒抽出エキスには血糖値を下げる効果がある[14]。

血糖値を下げる食べ物やお茶は結構ありますね。

 

アマドリ化合物とAGEsの形成を阻害するハーブ

クルクミンやサラシア属シネンシスの幹のエキスにはアマドリ化合物とAGEsの形成阻害作用がある[4]。

 

コラーゲン線維の架橋を減らすお茶

緑茶エキスはコラーゲン繊維の架橋を減らす[14]。緑茶は日本では一般的なお茶で手に入りやすいですがコラーゲン繊維の架橋結合を減らして顔のハリの回復効果が期待できます。

 

これら抗糖化作用をもつ食べ物や植物は最初に説明したように糖化の最終産物であるAGEsに行きつくまでの各々のステージで糖化過程を阻害することで抗糖化作用を発揮します。

クルクミンなどハーブや植物にはフィトケミカルが豊富で抗酸化作用を持つ成分もたくさん含まれていますので糖質による活性酸素の老化からも守ってくれます。

 

まとめ

  • 糖化は肌のコラーゲン繊維を硬く弾性をなくしハリを失わせたるみの原因の一つになる
  • 血糖値が高いほど糖化が進み活性酸素も増える
  • 糖化が進むステージがあり最終産物をAGEsという
  • 糖化を抑制する一番効率の良い方法は糖質制限ダイエット
  • ビタミンCの摂取や点滴は活性酸素を減らし糖化を抑制する
  • 抗糖化医薬品やより副作用がない抗糖化作用をもつ植物もある
  • これら抗糖化作用がある植物やお茶などを摂取する

 

参考文献:

  1. Increased accumulation of skin advanced glycation end products is associated with microvascular complications in type 1 diabetes. Araszkiewicz A et al., Diabetes Technol Ther. 2011 Aug;13(8):837-42. 

  2. Skin autofluorescence is associated with severity of vascular complications in Japanese patients with Type 2 diabetes. Tanaka K et al., Diabet Med. 2012 Apr;29(4):492-500.

  3. The effects of the Maillard reaction on the physical properties and cell interactions of collagen. Avery NC et al., Pathol Biol (Paris). 2006 Sep;54(7):387-95. Epub 2006 Sep 7.

  4. Advanced glycation endproducts interefere with integrin-mediated osteoblastic attachment to a type-I collagen matrix. McCarthy AD et al., Int J Biochem Cell Biol. 2004 May;36(5):840-8.

  5. Role of vitamin C in oxidative DNA damage. Konopacka M et al., Postepy Hig Med Dosw (Online). 2004;58:343-8.

  6. Vitamin C induces apoptosis in AGS cells via production of ROS of mitochondria. Lim JY et al., Oncol Lett. 2016 Nov;12(5):4270-4276. Epub 2016 Sep 29.

  7. Does vitamin C act as a pro-oxidant under physiological conditions? Carr A et al., FASEB J. 1999 Jun;13(9):1007-24.

  8. Ascorbic acid blocks hyperglycemic impairment of endothelial function in adolescents with type 1 diabetes. Hoffman RP et al., Pediatr Diabetes. 2012 Dec;13(8):607-10. 

  9. Fructose triggers DNA modification and damage in an Escherichia coli plasmid. Levi B et al., J Nutr Biochem. 2001 Apr;12(4):235-241.

  10. Association between small fiber neuropathy and higher skin accumulation of advanced glycation end products in patients with type 1 diabetes. Araszkiewicz A et al., Pol Arch Med Wewn. 2016 Nov 22;126(11):847-853. 

  11. The protective effects of vitamin C on the DNA damage, antioxidant defenses and aorta histopathology in chronic hyperhomocysteinemia induced rats. Boyacioglu M et al., Exp Toxicol Pathol. 2014 Dec;66(9-10):407-13.

  12. The oxidative damage of plasmid DNA by ascorbic acid derivatives in vitro: the first research on the relationship between the structure of ascorbic acid and the oxidative damage of plasmid DNA. Liu PY et al., Chem Biodivers. 2006 Sep;3(9):958-66.

  13. Radiation protection by 6-palmitoyl ascorbic acid-2-glucoside: studies on DNA damage in vitro, ex vivo, in vivo and oxidative stress in vivo. Chandrasekharan DK et al., J Radiat Res. 2009 May;50(3):203-12. Epub 2009 Apr 22.

  14. Water soluble vitamin E (TMG) as a radioprotector. Nair CK et al., Indian J Exp Biol. 2003 Dec;41(12):1365-71.

 

【メルマガ登録】 不要な老いを避け美しく生きるお役に立てるよう当ブログの最新情報をお届けします。登録すると最初に7回に分けて若々しさを保つ基本のアンチエイジング習慣をお伝えします。
*は入力必須です。
氏名(ハンドルネームOK)*  姓:名:
メールアドレス* 
確認用メールアドレス* 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ