ココナッツオイルは天然の抗菌マウスウォッシュ
私は中鎖脂肪酸を毎朝スプーン1杯をコーヒーに混ぜてケトン体エネルギーにしています。
今回は中鎖脂肪酸(MCTオイル)が主成分であるココナッツオイルの『うがい』についてです。
細菌はどこにたまっているのか
虫歯や歯周病はプラーク(歯垢)に住み着いた悪玉の細菌によって引き起こされます。
プラークは歯の表面にくっついていますが歯の表面はつるつるで通常細菌は住み着くことはできません。
プラークが歯面にくっつくためには足場として最初に歯に粘着するような物質を放出する必要があります。
虫歯菌のストレプトコッカス・ミュータンス菌は初期のプラークの形成に必要な粘着成分の『不溶性グルカン』を糖質をエサにして放出します。
もちろんレッドコンプレックスをはじめとした歯周病菌を減らすことも重要ですが歯周病菌はプラークに住み着きます。
そのため虫歯や歯周病を減らすためにはミュータンス菌を減らす、プラークを減らすことで達成されます。
ココナッツオイルのうがい効果
ココナッツオイルにはラウリン酸をはじめとする中鎖脂肪酸が豊富でケトジェニック(糖質制限)ダイエットに有用です。
実は、このココナッツオイルは摂取するだけでなく、うがいしてもアンチエイジングに有効です。
歯周病や中性脂肪は慢性炎症源です。
特に口腔内に炎症があると細菌が入り込み、毒素(LPS)による老化が起こります。
顔の皮膚や表情筋にも近いため口腔内は健康に清潔にしておくことが顔のアンチエイジングになります。
ココナッツオイルなどのオイルでマウスウォッシュすることをオイルプリング(oil pulling)といいますが、ココナッツオイルもクロルヘキシジンも虫歯菌であるストレプトコッカス・ミュータンスを抑制します[1]。
しかも、ココナッツオイルもクロルヘキシジンと同程度にミュータンス菌を減らす[2]効果があります。
クロルヘキシジン(CHX)は私も常に患者さんに使っている殺菌成分でこれが入ったマウスウォッシュをつけて歯磨きさせると3か月で口臭や歯肉炎が改善されますのでその効果は折り紙付きです。
ココナッツオイルの抗菌作用
ココナッツオイルはプラークを減らし歯肉炎を減らします[2]。
私は糖質を食べないですが、MCTオイル(中鎖脂肪酸)を摂取しながら糖質制限ライフを始めてからプラークができにくくなり歯面がつるつるしていることに気づいていました。
もしクロルヘキシジンと同様に殺菌効果があればミュータンス菌を減らすためプラーク量が減り歯肉炎も減るわけです。
唾液中のアルカリと反応してケン化してプラークの歯面への接着に抵抗します[2]。
ココナッツオイル(ヤシ油)は天然の界面活性剤である石鹸の材料になりますので口腔内でケン化が起き石鹸が作られるのです。
しかも合成界面活性剤と異なり唾液中のミネラルと反応すると界面活性作用がなくなるため粘膜ダメージが最小限ですむため安全です。
ココナッツオイル中のモノラウリン中に15分入れておくとグラム陽性球菌の細胞収縮および細胞崩壊を引き起こす[2]。
ココナッツオイル中の糖脂質化合物スクロースモノラウレートは、ストレプトコッカス・ミュータンス菌に対してグリコール分解およびスクロース酸化の減少作用によって虫歯予防効果がありプラークも減らす効果があります[2]。
ココナッツオイルはミュータンス菌だけでなく大腸菌やエンテロコッカス属、ピロリ菌、ストレプトコッカス・アウレウス 、カンジダ菌にも抗生物質的な効果を発揮する[2]。
つまりココナッツオイルはそれ自体が天然の抗生物質だということです。
まとめ
- ココナッツオイルにはケトン体を増やすだけでなく抗菌作用がある
- マウスウォッシュとして使うとプラークが減り虫歯や歯肉炎が減る
- 口腔内の炎症は細菌が血中に入る菌血症になるため口腔衛生は顔の老化予防になる
参考文献: